人口の義歯

歯科技工士によって作られる入れ歯

歯科技工士

便利な入れ歯

入れ歯は咀嚼や発音など歯が抜けてしまったことで失われた機能を回復させるため、歯の欠損状態に合わせて歯科医院で作ってもらえる人工の義歯です。 歯が無くなってしまい、おいしく食事をすることが出来ないとお悩みの方に重宝される、とても便利な義歯です。 高齢の方が自然に歯を失うことで入れ歯を使うようになるケース以外にも、交通事故や大きな怪我で歯を失ってしまった場合、なんらかの病気やその治療のために入れ歯を使うようになるケースもあります。 全体的に入れ歯にする総入れ歯や一部分だけを入れ歯にする部分入れ歯があり、どちらも多くの場合は歯の材料にプラスチックを使います。 ですがプラスチック製の入れ歯は素材の特質上吸水性があるので、食事の汚れや細菌、臭いも吸着されやすくメンテナンスを怠ると口の中が不衛生になって口臭の原因になってしまいます。 入れ歯を使用している状況では、入れ歯と粘膜の隙間に細菌が繁殖しやすい環境を作っていることになりますし、入れ歯の材質であるプラスチックは硬度に優れているわけでもありませんので 乱暴に扱うと傷がつきやすく、そこにも細菌が付着しやすくなります。 プラスチックに傷がつくだけでなく、物を噛むことで口の中で力のかかった入れ歯も動きますので、それを支える軟らかい粘膜面にも小さな傷がつきます。 歯茎などの粘膜も傷つきやすいので、入れ歯や口の中を清潔に保つよう心がけていないと不衛生が原因で口内炎などができやすくなります。

入れ歯の手入れ

口の中を清潔に保つためにも食事の後は毎食後入れ歯をはずしてブラッシングし、入れ歯を清潔に保つ努力をしましょう。 口の中を不衛生にしているとそれが原因で残りの歯が弱くなったり、口の中で他の病気が発生してしまう可能性もあります。 入れ歯の手入れ・清掃方法の基本ですが、面倒くさがらずに部分入れ歯も総入れ歯も必ず口から取り出して清掃しなければいけません。 自分の歯の感覚で入れ歯をしたまま歯磨きをしても、充分な効果は得られません。 通常の歯磨きではなく、器具を洗うつもりでお手入れをするのです。 部分入れ歯のバネの部分は繊細ですので、小さい歯ブラシや歯間ブラシを使って優しく丁寧に汚れを落とします。 自分の歯のように力を入れてゴシゴシやってしまうと細かい金属部分が変形する原因になりますので、力を抜いて丁寧に磨きましょう。 入れ歯も歯磨き粉を使えばいいと思っている方がいますが、これは間違いです。 入れ歯の洗浄は歯科で処方されたものか市販の入れ歯洗浄剤を使います。 歯磨き粉は人間の天然の歯を磨くために作られているので、プラスチック製の義歯を磨くには適しません。洗い方が根本的に違うのです。 入れ歯の洗浄方法は歯磨きとは全く違って、入れ歯洗浄剤を溶かしたぬるま湯に漬けておくことがメインになります。 汚れがひどい場合はその時間を長く、一晩以上漬けることにもなります。 頑固な汚れを落とすためにと、力任せに磨くようなことは決してしてはいけません。

口の中も清掃を

入れ歯を清潔に保つだけではなく同時にお口の中もケアしましょう。入れ歯を使っていると口の中にも多くの細菌が培養されてしまうからです。 入れ歯と歯茎の間にはどうしても隙間ができてしまい、そこに汚れが溜まってしまうと細菌にとって繁殖しやすい環境になります。 いくら入れ歯を洗浄しても口の中に細菌が残っていてはあまり効果がありません。 入れ歯のお手入れと一緒に入れ歯が接触する部分を特に、歯茎などの粘膜もしっかりケアしましょう。 入れ歯を口から取り出して汚れが多く付着していたら、同じように口腔内も汚れていると考えなければいけません。 取り出した部分だけをいくら綺麗にしたところで、中に入れてまた汚してしまうようでは洗浄の効果もほんのひとときでです。 クラスプやバネなど入れ歯の維持装置に付着した食べかすといったゴミを取り除くのなら、同じように口腔内のゴミも取り除いて清潔にしなければいけません。 例えるなら上着は毎日着替えるけど、下着は取り替えずお風呂にも入らないようなものです。 上着だけは綺麗に見えても、何日もお風呂に入らず同じ下着を着用し続けることは清潔とはいえません。そんな不潔な身体ではすぐに異臭がするようになります。 綺麗にするなら全体を、目に見える所だけをなんとかしたってそれほどの効果は期待できませんので、入れ歯の洗浄と口腔内のケアはセットで行うようにしましょう。